『柳井―祝島』
2012.5.4
 ゴールデンウィークには、是非ともつぎはぎ日本一周をしたいと考えているのだが、今年の場合は、少々勝手が違い、ひょっとしたら無理かもしれないと思っていた。というのは、今年から中学校勤務となったためで、部活の指導や大会があるからなのである。まあ、そうなったらあきらめようと思っていたが、2回の大会と1日の練習ということで 1日ほどフリーだ った。まあ、これは、少々無理をしてでも行くしかない。 1日ということであまり遠くは無理なので、島シリーズをすることにした。大島か祝島か迷ったが、船で渡るというのがわくわく感があって面白そうなので、祝島にすることにした。朝早くからスタートしたいというのと、車中泊自体が、アウトドアぽくって面白いという感覚が、あって、いつものように前日の夕食後に家を出発した。遠くと言っても、大阪などから比べると近いもの。一般道でも割りと早く柳井に着く。以前柳井を通っているので、ここからスタートだ。SAではないので、駐車スペースの確保から、市内はなかなか無かったが、少し外れたところに、運動公園があった。今回も都合のいい解釈で明日の『つぎはぎ日本一周』も、運動ということで、ここで車中泊をさせてもらうことにした。なんだかんだで2時ぐらいになりそれから就寝。次の日、準備してスタートできたのは、8時。まあ、この時間から走ることができたら余裕を持ってできる。
 
  
 まずは、 県道72号線を南下し半島を時計周りになるように進む。海を見ながらのライドは、心地いい。海岸線なので、平らな道と思っていたが、アップダウンがあり、いいトレーニングになった。
時計周りだとずっと海に近くなり、とても気持ちよく走ることができる。この日は、天気がよく、海面がキラキラしていてとても美しい
鹿児島の枕崎を走った時、海がものすごく美しかった印象があるが、その時も天気がよかったけど、それに匹敵するぐらいの海の美しさだ。

    

 上関の町が眼下に見えてきた。本土と長島とを結ぶ橋が 景色にアクセントを与えている。 道を下って今度は、その橋を渡る。橋から見える景色もなかなかだった。丁度新緑の季節で海の青さとマッチしている。橋を下って 上関の町へ向かった。この港から、祝島へは、フェリーに自転車を積んで行く予定だ。祝島へのフェリーは、日に数本しかないので、祝島に滞在できる時間も1時間半しかない。これを逃すと6時間も祝島にいなければならなくなる。祝島に行って見に行く場所を限定しなくてはならない。ガイドとかを見ると、見所は、街並みと、棚田とあったので、そこを回ることにした。

     

 フェリーの出港の時間が近づいてきたので、乗船手続きをした。祝島まで900円だ。まあ、これは、インターネットで調べていたので想定内だったのだがね、なんと、自転車を積みこむため+600円とのこと。帰りもあるので自転車だけで1200円にもなる。予想していなかったから、少々ショックだった。
 フェリーと言うか規模的には、渡船と言う感じの船に乗り込む。乗客は釣りびとが多く、満員に近い状態だった。そこへロードバイクを積みこむので少々申し訳ない気もしたが、まてまて、自転車だけで600円払っているのでそんなことは思わなくてもよかったのだと思い直した。
 船内は、いっぱいだったので、船尾のデッキに出た。海の美しさにどっぷり浸かって進む。旅の中にこうして船が入ると、なぜこうも旅情に浸れるのだろ?時々しぶきがかかってきたりしたが、そんなことは、気にならないほど気持ちよかった。

  

 何ヵ所か港に寄って終点の祝島に着いた。
 そこは、規模は小さいもののいきなりの独特の塀が見える。石が壁の中に入れてあり、どこか沖縄のような街並みだ。
 この島にゆっくり休んでいきたい気もしたが、『つぎはぎ日本一周』としては、そうもいかない。タイムリミットは1時間半。街並みを堪能しながら棚田へと向かった。

  

 標識に従って進むが棚田と言うだけあって結構な坂にさしかかる。まあ、さすがに、いろんなところを旅したので、こうした坂もそれほど苦にはならなくなったが、普通は、自転車で登っていこうとはあまり思わないだろう。道は舗装がしてあったのだが、狭く、ガードレールはない。少々恐い感じもしたが、海や斜面の景色も綺麗で、いいなぁ〜と思いながら進む。ところどころに、石垣の見事さとその石垣を利用して 栽培している果物の織り成す景色にはっとして、自転車を止めて、何枚も写真を撮った。そんな美しい小路が結構続くのだが、これだけのものを昔の人は機械を使わず造りあげたのだから、本当に凄い。自転車で進んでいると、ここまで徒歩で来ている観光客もいた。激坂のことを考えても、やっぱり自転車がいいなあ〜と思った。まあ、歩くのなら1時間半コースではちょっと無理だと思うが・・・。

    

 自転車で進んでいると、なにやらあやしく動くものが・・・・一瞬へびかと思ったが、なんと、巨大みみず。陽気にさそわれて出てきたのか?それにしても巨大だ!その後、何度か遭遇した。
 最後に、お城のように垂直に近い石垣が見えてきた。ここが、ガイドブックなどに紹介されている個所だ。石垣の中腹にたぶん、現在は使われていないであろう家があるのが、また印象的だった。ここの石は、他のところよりもさらに大きく頑丈に作っているように思えた。ここから海を眺める景色はすばらしく、しばし休憩。ここから先は行き止まりなので、Uターンすることに。
 Uターンしている最中に、なんと、今度はママチャリでこの道を行く観光客に遭遇。あの激坂をそのママチャリでよくぞ! 

     

   

 帰りも景色を楽しみながら、帰った。中途半端な時間が残ったので、まずは帰りの切符を購入することにした。長島を自転車で進むことにしたので上関にもどるのではなく、一番祝島に近い四代という港までとした。なんと、人間の運賃530円、自転車の運賃600円と代金が逆転してしまった。自転車で往復1200円・・・・う〜痛い。で、切符売り場で、気になる張り紙が・・・・。貸自転車300円。が〜ん。自転車を持ってくるのと比べると、4分の1の料金だ!・・・・そうか、あのママチャリの人たちは、ここで貸自転車を借りて棚田に向かったのか!と気がついた。まあ、よくよく考えれば、上関に帰るのではなく、四代に行くのでやはり、自転車を積んで行かないと上関から長島を往復しなくてはならなかったので、まあ、仕方がない。1200円もそう考えるとOKだ。そうそう、ここの渡船は、自転車だけでなく、ありとあらゆるものに積み込み代がかかる。クーラーボックスでさえ、200円だったかな?かかるのだ。釣り人も大変だ!
 さて、船の時間まであと30分ぐらいあったので、10分ほど、島の逆方向に行ってみることにした。こちらも街並みは沖縄チックな感じが続き、なかなかよい雰囲気ではある。街中をすぎ、少し行くと、あまり変化のないような道に出た。何か目的があるわけではないし、時間も気になるしで、Uターンをすることにした。
 港にもどると、そろそろ乗船の時間。自転車があったので、やや早めに乗せてもらった。帰りは、行きほど混んではおらず、船内に座ることができた。すると、船員さんが、自転車のことをいろいろ尋ねてきて、ロードバイクのことなど説明した。自転車に興味をもってくれ話しかけてくれる人などには、ついつい自転車の魅力を力説したくなる。

  

 さて、船も出発し、四代まで、しばしの船旅。帰りは一番近い港なので、すぐに到着。自転車を下して、さあ、ここからは長島を巡る。海沿いの道なので、基本的にはどこも美しく、癒されながら進むといった感じ。ただ、アップダウンが結構あり、のんびりとポタリングという感じではない。ところどころで写真を撮り進む。途中、南側の海と北側の海が見えるような尾根のような個所があったが、北側の海はやや荒れていて風も結構吹いていたのだが、南側の海はおだやか、という感じで南北の海の様子や風の様子が全く違うというのがよくわかった。北からの風が強かったのだが、南側の海沿い、山影に入ったら、風はまったくなくなり、気持ちよく進めた。それでも、海沿いの道、山道と、人家もあまりない道をずっと進んで行ったし、祝島でも食堂らしきものもなかったので、お腹がすいてきた。しかし、コンビニも食堂もなかなか見えてこない。結局、上関にもどったところで、何かあるか探したのだが、ここにもあまりなく、お土産やで(結構有名らしい)鳩子天ぷら(昔ここを舞台にNHKの連続テレビ小説「鳩子の海」があった)が売っていたので、お土産分と、腹ごしらえ分を購入して、しばし休憩。それでも、お腹はまだすいていたので、食堂を探す。橋の向こう室津あたりに、それらしきものを発見。橋を渡り、下りていくと、温泉施設の中に食堂があった。ありがたい。そこで遅い昼食をとった。温泉ではあるが、ここで入っても柳井までまだ自転車で汗をかくので、がまんして、先へ進む。行きは東側を通ったので、帰りは西側の海岸沿いの道を行く。

     

     

 途中、人間魚雷で有名な回天のレプリカが置いてある資料館が見えてきた。ちょっと寄ってみようと思い、入口付近に行くと、本日休館となっていた。ゴールデンウィークまっただ中なのに、休館とは・・・・。まあ、仕方がない。先を急ぐ。途中、またお腹がすいた。しかし、このラインにはコンビニがない。これだけないのも、珍しい気がした。平尾町の街中にスーパーがあったので、そこに入り、水分とちょっとした保給食、アイスを購入して、食べながら、しばし休憩、こうした、時間も『つぎはぎ日本一周』では楽しみの一つだ。
 その後、国道188号に入り、柳井を目指す。国道はやはり、車が多く走りづらい。柳井の街に着いたのだが、やはり、白壁の街並み として有名な場所へ行くことにした。ここの街並みの雰囲気はとても素敵だ。結構広い範囲で歴史のある街並みが続いている。写真などたくさん撮り、スタート地点の運動公園駐車場に向かう。

     

   

   

 途中、大きな自転車店があったので、中に入ってみるとびっくりするぐらいロードバイクやMTBなどがあった。こんなところに?と思い、お店の人に声をかけると、なんと、益田までロードバイクで往復するイベントを主催しているショップだった。ここだったのだ。以前から、柳井から益田まで往復するイベントをする店があるということを聞いていたのだが、偶然にもその店に来たのだ。「益田でもINAKAライドが8月にありますよ」とPRしてお店を出た。

 

 ここで、GPSの軌跡を表示する機能があるのだが、これが役にたった。スタート地点に戻るので、GPSをたよりに進むことができ、迷わず到着。
 1日ではあったが、天気もよく、船にも乗れ、景色も最高のとても思い出深い『つぎはぎ日本一周』になった。う〜ん、やっぱり『つぎはぎ日本一周』は楽しい!ということを再確認した1日だった。
 帰りの車は、ナビの通りに帰ったのだが、途中、通ったこともないような道を案内され、心配したが、結局は187号に出て吉賀回りで帰ることができた。途中、錦町の温泉に入り、疲れを癒した。いい時間になったので、六日市の山賊で夕食をとろうとしたが、時間がきて、オーダーストップ。家まで我慢できず、夕食も結局、途中のコンビニの弁当を食べた。これも、また、『つぎはぎ日本一周』らしくてOKかな。
 さて、次はどこへ行こうかな? 
 
 本日のデータ
 走行距離 74.56q
 平均速度 16.9q/h
 最高速度 45.5q/h

 費用
 往路 フェリー代 上関‐祝島 900円 自転車代600円
 復路 フェリー代 祝島‐四代 530円 自転車代600円
 
※GPSの軌跡は、船内ではGPSがきかず、直線として表示。












『つぎはぎ日本一周』