『周南-大津島-粭島』
2013.4.28
 この三連休で唯一自由になるのが中日の28日。天気予報も晴れ。と言うことで、これは、行くしかないでしょ。そう『つぎはぎ日本一周』。1日なので今回も島シリーズ。いつかは行ってみたかった、人間魚雷『回天』の島、大津島にした。 
 徳山港から船に乗って行くことになる。以前も書いたが 船がはいると、一気に旅って感じになってわくわく感は増大する。大津島はそれほど大きな島ではないので、この島の他に粭島や笠戸島へも行けるかもしれないと、今回の旅をイメージしていた。
 益田を出発して徳地を過ぎたところで左折。国道315号線を行く。朝早いので、車も多くなく、思ったよりも早く徳山港に到着した。六日市町(現在は吉賀町)に住んでいたころに、この道を通って、時々徳山まで買い物などに行っていたことを思い出す。 さて、徳山港に駐車をすると、料金がかかりそうなので、少し探して、釣りをする人たちが駐車している場所を発見。ちょうど、そこに船がついたので、船の人に聞くと、ここはじゃまにならんから、駐車してもいいよ、とのこと。ありがたく、駐車し、ロードバイクを組み立てる。

  

 そこから、徳山港へ向かう。窓口で、自転車の料金を聞いたところ、往復540円とのこと馬島が回天の記念館には一番近い港だが、人は690円と言うことだった。馬島にはレンタサイクルがあって、それは300円という。ちょっと迷ったが、愛車ビアンキで行くことに意味が、あると感じ、ロードバイクを船に乗せて行くことにした。
 その窓口で切符を買おうとしたら、受付の人に自動販売機で買うように言われた。すぐ隣にある、その自動販売機。この表示が超わかりずらい。どこを押せば切符が購入できるのかすぐにはわからない表示。この表示は便利になるよう、いろいろと購入できるように工夫したのだろうけど、結果的には分かりにくくなってしまったという典型。他のお客さんも私と同様、購入時に一瞬戸惑っていた。

  

 乗客には釣り人も多く、船に入ると、奥に自転車も進むように言われ、通路を自転車を押しながら行く。奥に行くと、デッキになっていて、そこに釣り具などと一緒に自転車を置いた。海も穏やかで、気持ちよくしばし船を楽しんだ。最初に停まったのは馬島という港、ここは回天の記念館に一番近い港だ。奥に自転車を置いておいたと思ったら、下りるときは、ここが先頭になるようになっていた。
 先頭で、船を下りた。そこで、地元の人から声をかけられた。とても気さくなおばちゃんとおじちゃん。一気に島が好きになる。ここは大津島ではあるが、大津島の部分と馬島と呼ばれている部分とがあるらしい。最初に馬島と言われている場所を一周することにした。さっき、のおじちゃんとおばちゃんに、馬島一周は結構坂があるよ、と言われたが、それはトレーニングの成果を出すところ、気合いを入れてスタートした。
 きついと言われたが、まあ、益田の権現山などよりは楽な道だったし、今日は『つぎはぎ日本一周』なので、ゆったりとした気持ちで上って行った。ちょうど、昨年行った祝島と同じような道で、天気もよいし、海もきれいだし、いいな〜、いいな〜とうれしくなりながら。ところどころで、景色を楽しんだり、α300で撮影したりした。すると、くまんばちが、私の周りにぶんぶんと近寄ってきた。これは動き回るし、なかなか写真には撮れないかもと、思いながら、カメラを向ける。中の何枚かはまずまずピントがあったが、ほとんどはぴんとが合わず難しかった。島の周りの険しい道というのは、たいてい、景色がよい。この景色のおかげで、坂のきつさなど、ほとんど意識せずに出発地に到着。 

      

      

     

 次に向かったのは、大津島の本島?の部分にある回天が出港した基地の跡。頑丈そうなトンネルを抜けたところに絵に描いたような要塞が見えてきた。ここが、回天の基地だったのだ。当時の雰囲気そのままなのだろうが、現在は釣り人がのんびりと竿を垂らしている平和な風景。太平洋戦争時には、ここから回天が出発したのだが、そのギャップというか、ときの流れというか、その違いを不思議な感覚で受け入れながら、この地に足を踏み入れた。
 その後、回天記念館に向かう。小学校の横の坂を登り、高台にその記念館はあった。館の前に回天のレプリカであろう、実物大の模型が展示してあった。この中に志願兵が入って、敵艦に突撃していったのだ。記念館の中には当時の遺品や、遺書、当時の様子がわかる資料や、回天で命を落とした人々の顔写真などが展示してあった。撮影も可ということだったので、雰囲気だけでも伝わるといいと思い、数枚撮影。国のために命をささげた方々のご冥福を祈って、記念館をあとにした。

     

      

   

    

 ここからは、海沿いの道を島の最北端に向かって進む。ここも、景色はとてもよく、癒されながら、行くことができた。途中から防波堤が結構な高さで設置されていたが、これは、津波が来たときのために増設したのではないかと思う。海岸に鯉のぼりがたくさん設置されていた。海に鯉?…海には鯛のぼりかなにかの方が似合いそうだが、子どもの日が近いので、やっぱりこれでいいのだろう。

   

 最北端には大阪城の石を切り出したところがあり、近くに記念の碑があった。小豆島でも同じように大阪城の石切り出したところがあったが、規模からすると、小豆島の方が大きいものだったと記憶する。
 残念ながら、こちらは道が島の周りをぐるっと一周つながってはいないので、Uターンをする。途中、石風呂がある地区があったので、そこへも行ってみることにした。細い道を登り、そして、下り、集落に着く。そこから、再び丘の上に登ると、そこに石風呂があるはずだったのだが、それらしきものは見当たらず、公園のようなところに到着。しかし、よくよく見ると、公民館のような建物が石風呂??なのかも。案内も何もなかったので、はっきりとはわからなかったが、たぶん正解だろう。

    

 島ののんびりした時間を堪能し、本土へ帰る時間になってきた。船がそう何本も往復しているわけではないので、1本逃すと、1時間から2時間待つことになる。スタート地点で乗るためには、やや時間が心配になり、島の中央部の刈尾という港から乗ることにした。船を待つ間に、待合所の隣の花壇で、花の撮影。一緒に待っていたご婦人が、船の時刻の少し前に桟橋へ移動していったのだが、こうしていないと、乗客がいないと思って、港によらずに船が行ってしまうことがあるらしい。そのご婦人、以前最終便の時に置いていかれて大変だったそうだ。そういう時には船のタクシーをよび、本土に帰ることができるらしいが、普通の船だと、690円だが、船のタクシーは、なんと2万円もするらしい・・・・恐ろしい。で、私も桟橋へ移動し、船を待つ。無事港によってくれ、船に乗り込むことができた。ほっ。
 帰りは、海風にあたりながら、デッキの部分にいて、ずっと海を見たり、撮影をしたりして帰った。徳山港に到着。潮が引いて、朝の船着き場が朝の雰囲気と違っていた。さすが太平洋側だ。干満の差が大きい。

    

     

 次に向かったのは、粭島。まあ、島と言っても橋がかかっているが、ここを目指した。島シリーズだ。途中、和歌山ラーメンがあった。山口で和歌山ラーメンを食べるのは?って感じも少しはあったが、お腹がすいていたので、ここに入る。こってりで、うまかった〜。でも、毎日これを食べると、油のとりすぎになるのでは?と思った。時々食べるぶんにはOKかな。

   

 粭島に行くまでに半島部分があり、その北側の道を進むことにして、右折した。そこは河口になっていて、砂浜に人の姿が・・・、潮干狩りのシーズンだ。意外だったのは、こんなに工場が近くにあるような河口で、潮干狩りができるということ。これも、排水の浄化がきちんとできているからだろう。

 

 右手に綺麗な海、左手に大きなタンク類を望みながら進む。
 ところどころに、道路をまたいで配管されていて、海へ向かっていた。ここで、貨物船などと物資のやりとりをしているのだろう。少し行くと、工場の門に到着。なんと、これから先は関係者以外立ち入り禁止。う回路は見当たらなかったので、(後で、調べると、山を越える道があったらしかった)Uターンをして、半島の反対側の道を行くことにした。こちらの道はとても新しく広い道だった。結構ハイスピードで粭島へ向かう。この道を進んでいくと、大島というところで、海沿いから山の方へ向かう。ここで、再び北側の道に行くことになる。そして、さっき、立ち入り禁止だったところと同じような風景が見えてきた。後で、調べると、この工場は、日本精蝋という会社で、蝋燭やワックスなどを作る会社らしい。山の上の方には、時代物の煙突が数本見える。これも、調べると、きっと面白い話があるのでは?と思えるような煙突だ。

      

 粭島への橋を渡る。橋といっても、ほんの20メートルぐらいの小さな橋で、言われないと普通の道だと思ってしまうような橋だ。粭島に到着。少し行くと、この島のモニュメントがあり、そこでしばし、休憩。その後、道を進むが、すぐに行き止まりになった。ここは、テトラポットが無数に重ねられていて、そのテトラポットの切れ間から沖の綺麗な島々が見えるといった風景だ。
 ここからUターンをして、徳山を目指すが、途中、半島の南側へ向かっていみた。しかし、時間や疲労度のことを考えて、ある程度坂を登り、峠近くまで行ったと判断したところで、引き返した。
 スタート地点に戻るころには、日が傾き始めていた。今回も自転車で走った距離はそれほどでもなかったが、一度は行ってみたかった回天の島へ行けたことでとても充実感があった。

 



 益田へ帰る途中、ナビで検索した湯野温泉により、夕食と、温泉に入った。疲れた体にはありがたい。気持ちよすぎて益田までの道中、何度かパーキングによって仮眠をとりながら帰った。
 島シリーズ「大津島」終了〜。

 

 本日のデータ
 走行距離(船での移動含む) 90.6q
 平均速度(船での移動含む) 17.5km/h
 最高速度 38q/h
 大津島往復 乗船料 1380円
 自転車乗船代     540円
 回天記念館入館料  300円



















『つぎはぎ日本一周』