『東尋坊―敦賀』
2011.8.21
朝、8時から朝食ということで、ゆっくりした。旅館の朝食というのは、いつも以上にしっかり食べることができる。今回もしっかりいただいた。8時40分ごろ旅館を車で出発し、今日の『つぎはぎ日本一周』のスタート地点東尋坊を目指す。
 東尋坊、有名だが、以前はどこにあるのかあまり知らなかったのだが、こうして旅をすると、場所もばっちりと記憶され、日本を知るって感じになる。駐車場は、東尋坊のすぐ近くにお土産屋のものがあり、そこが無料ということで、入ることに、ちょうど、お土産も買っとかんといけんし、これはちょうどいい。そこから、東尋坊の崖までは徒歩2〜3分だった。そこには、なんと、何人もの観光客が崖の淵まで身を乗り出して下を覗いているではないか!びっくりした。他の観光スポットの崖などは、手すりなどが設置してあり、これ以上入ったらいけません!てな看板が立っているところがほとんどなのに、ここには、一切そういうものがなく、誰でも、崖のすぐ近くまで行けるのだ。子どもも・・・。で、私もおそるおそるその崖の淵まで行き、下を見た。さすがに足が震えたが、高さはそれほどでもなく30メートル足らずだそうだ。この夏隠岐の摩天崖の250メートルの崖を見たばかりだったので、高さには驚かなかったが、一番驚いたのは、さっきも言ったが、淵に立てるということ、そして、一番怖かったのは、淵に立っている人を見ること。自分が見るよりも、ひやひやしてこわかった。以前は、この岩のどこかから海に飛び込む名人?がいたそうだが、さすがに現在はそんな人はいなかった。

   

     

 観光船がたくさん出ていて、観光地〜!!って感じで人も多かった。東尋坊タワーというのが近くにあったが、今回は、そこはパスした。お土産屋さんに入り、家族へのお土産を購入し、両親とここで別れた。今日の合流地点は、昨日と同じ「ニューサンピア敦賀」だ。距離にして120キロ近く。観光もあるので、相当ハイスピードでないと、最悪の場合、そこにつけず、『つぎはぎ日本一周』でルートが途切れてしまう。でも、観光スポットには行きたいので、急ぐことにした。最初に向かったのは、東尋坊から見える離れ小島。そこに神社があるということで、そこへ向かう。海の中にすうっと赤い橋が島へと続いている。ここは車両通行不可なので、自転車を置いて、歩いて島へ渡った。こじんまりとした神社があったので、旅の安全祈願などして次へ進む。

    

    

 次は、丸岡城へ向かう。ただ、ちょっと道がややこしく、何度も間違えてしまった。福井空港の前を通り、地元の人に道を聞くと、逆方向だったりと、苦労した。10号線を丸岡城方向へ進むとき、歩道があるとことないとこがあるし、道は対面2車線なのだが、路肩がほとんどなく、自転車にとっては走りにくい道だな〜と思いながら進んでいた。舗装状態が悪く進みにくい。路肩の部分アスファルトとコンクリートの境の仕上げが雑で結構な段差になっていたのだ。こんな道はさっさと終えたいとかんがえややスピードをあげた、その時、舗装の段差にタイヤがとられて、大転倒をしてしまった。今までで一番豪快にこけた。こういうときは、妙に冷静で、転けて行く時スローモーションのように感じた。肩と腰を強打してしまった。そして、最後は頭もアスファルトに・・・・。不幸中の幸いで、対向車も後ろからも車が来ていなかったので、道のど真ん中に豪快にこけたのだが、車に引かれずにすんだ。運が悪かったら、死んでいたかも・・・・。さっき、神社でお祈りしたのがよかったのかも。そんなことを考えながら、自転車を道の横に運び、体の様子をみる。
 腰のあたりを2か所、肘のあたりを1か所ほど、擦り傷と打撲でくろじみのようになっていた。頭は打ったのは打ったけど、ヘルメットをしていたおかげで、ヘルメットにひびが入った程度で、助かった。きっと、ノーヘルだったら相当なダメージがあったと思う。やはりヘルメットは旅のスタイルでも必ず必要ということを痛感した。「お陰様で命を落とさずにすみました。感謝。」で、次は自転車を見てみる。走行不能な状態ならば、ここで『つぎはぎ日本一周』本日は終了!となるのであるが、左のコントロールレバーがひんまがっていたが、これは、「えいっ」と力を入れてもとに戻したら、普通に仕えたし、その他の部分は、異常なしと判断。続行可能だ。ほっと安心。コンパクトデジカメを腰のあたりにつけていたので、見てみると、ガリガリと傷が入っていた。しかし、普通に撮影はでき、まあ、よしとしよう。背中に背負っていたデジタル一眼のα300も心配になり、見ると、電源が入ったので、まあ、大丈夫だろうと、それ以上確認しなかった。で、一番ショックだったのが、2日前に購入したばかりだったお気に入りの腕時計。これが、バンドの部分がはずれて跳んでしまっていた。よく見るとガラスの部分もガリガリと傷がついているではないか!!!あ〜〜〜〜。しばし、茫然。 でも、命が助かったので、私の代わりになってくれたのだと思いなおした。バンドの部分は、なんとかその場で治り、普通に着けることができた。時間や機能は大丈夫そうだった。ただ、時間を見る度に傷が気になる。まあ、時間を見ることで、安全走行を思い出すことになると解釈し、気を取り直して丸山城に向かう。城に近づいたところで、またしても道を間違って、少し大周りをして到着。丸山城は、松江城と同様、建築当時のまま、(修理はしている)で木造で歴史を感じる城だ。

    

    

 さあ、丸山城を写真に撮ろうとα300を城に向けると、何やらVの字の影が映るではないか・・・・・。レンズを見て唖然。なん、ひびが入って・・・いや割れているではないか!ここでもしばし、茫然。さっきの衝撃で壊れていたのだ。待てよ、α300のレンズにはフィルタを付けていたことを思い出し、そのフィルタをよく見ると、割れていたのは、フィルターだけで、なんと、レンズは無傷だったのだ。ほっと安心して、フィルターを外し、割れたかけらなど、紙に包んで、持って帰ることにした。α300はそれ以外は大丈夫で、撮影もしっかりできた。よかった〜〜〜〜。
 丸山城は、さすがに当時のままということで、すごく急な階段だった。階段にロープがたらしてあり、それをつたいながら上がるほどの傾斜だ。

    

   

 次に向かったのは、永平寺。それまでは、割と平坦な道が多かったのだが、さすがに永平寺までは坂が出現。まあ、最近は坂も苦ではなく、旅の場合はゆっくり付き合う感じで進む。(トレーニングになると別だが)途中、お腹がすいたので、昼食をとることにした。時間はすでに13時30分というところ。急げ〜。かつ丼を注文したのだが、ソースにしますか?卵とじにしますか?と聞いてきた。かつ丼は卵とじに決まっとるじゃろ!と思い、卵とじを注文したのだが、ここ福井はソースのかつ丼が名物と後で知った。卵とじのかつ丼もおいしかったのだが、名物のソースかつ丼食べてみたかった。ちょっと、後悔。

  

 元気が出たところで、いざ永平寺へ。1244年道元禅師によって開創された「日本曹洞宗」の第一道場で出家参禅の道場ということで、さすがに、大勢の観光客がいた。自転車は、駐輪のことをあまり考えなくていいので、ラッキーだ。すぐ近くの川沿いにちょうどいいスペースがあり、バイクなどもとまっていたので、そこに自転車を置いて、いよいよ永平寺の中へ。これが、また、広い!普通の寺が何十件も合わさっているそんなスケール。建物自体も大きく立派だ。秋の紅葉シーズンに来ると最高だろうな〜などと考えながら、参拝ルートを進む。ここでも、安全祈願を祈る。境内やその周辺にそびえ立つ木々がまた迫力があった。樹齢700年とも言われる大杉が何本もあり、荘厳な雰囲気を醸し出していた。

     

    

 あまりの素晴らしさに長居をしてしまい、気がつくと午後3時を過ぎていた。いよいよ、敦賀までが難しくなってきた。
 それでも、ここから逆戻りするのはよけい大周りになるので次の目的地の一乗谷朝倉遺跡に向かう。永平寺まで上ってきた国道364号を更に上って、峠越えをしたら、一乗谷だ。
 一乗谷の遺跡は、結構広範囲にわたり、昔はここに、大きな町があったことが想像できた。実際に、復元した街並みもあり、そこにも入ってみた。ただし、そこは時代劇のロケ地のようで?って感じではあったのだが、確かに昔を再現するとこうなるのだろう。

    

   

 遺跡をあとにしたのが午後4時。敦賀までまだ60キロ近くある。いよいよ時間との戦いだ。まあ、今日は帰るだけなので、遅くなってもそれほど困ることはないが、今日、益田まで帰る必要があるので、その点で、できるだけ、早目にゴールしたいのたいというのと、暗くなる前に到着したいという気持ちから少々あせってきた。
 県道32号から181号に、そして、国道8号線へ出た。国道8号は結構大きな道で、路肩も広く、アスファルトも丁寧に工事して段差がなかった。どこの道もこんな感じで路肩ができていると、自転車にとっては天国なんだけれど・・・。ここをひたすら敦賀に向かって進む。ただ、信号にたくさん引っかかった。鯖江の町に着いた。本当なら、大学生の時に競技をした体育館にも行ってみたかったのだが、今日はもう時間がないので、寄り道せずに進んだ。

 

 越前市に入り、まっすぐだった8号線もやや右に曲がり、その後、山へと向かって行った。峠を越えて海岸線に出るのだ。道も少し狭くなり、路肩がほとんどなくなってきた。上りの道では、どうしてもペースがゆっくりになってしまう。こういう時、状態のよい自転車通行可の歩道がある場合はできるだけ、そこを通るようにしている。(トレーニングの場合は違う)ここだと、気兼ねなく、ゆっくり進むことができる。しかし、そんなところに限って、車が歩道にどでーんと違法駐車されてあったりする。今日もそうだった。見よ!この違法駐車っぷり。歩道が全部ふさがっている!〜〜〜〜。困るんだよね〜と言いつつ、車道を通る。
 途中のコンビニでエネルギー補給。こうして、ちょくちょく補給しておかないとハンガーノックになってしまう。
 結局、うす暗くなってしまい、到着したのが7時20分ぐらい。両親は既に、ずいぶん前にここに来て車でテレビを見ながら休んでいたらしい。

    

「ニューサンピア敦賀」に二日ともお世話になったので、ここで、食事をして帰ろうということになり、レストランに入る。落ち着いたところで、グローブをとると、なんと、手にあざが・・・、そう、転倒したときに、無意識のうちに手をついて受け身をしていたのだと思うが、その時にできたものだと思う。自転車はヘルメットと同時にグローブ着用というのをよく言われるが、本当に納得。もし、グローブをしていなかったら、手も傷だらけになっていたことだろう。「みなさん、ヘルメット、グローブ着用しっかりしましょう!自分を守るためです!」本当今回で実感。

 

 食事を終え、益田まで帰ることに。最初は父が運転してくれ、その間、眠らせてもらった。途中から、再び、交代して益田まで・・・・・本当に遠い!益田に着いたのが3時すぎぐらいだったかな?
 いろいろと勉強になった2日間だった。安全第一!
 次回はどこへ?いよいよ難しくなってきたぞ〜〜〜。
 本日のデータ
 走行距離 122q
 平均速度 21.8q/h
 最高速度 66q/h
 




















『つぎはぎ日本一周』