『大崎上島一周』
2012.12.2
 12月1日土曜日に我が体操協会が主催の小学生体操大会が無事終わった。(疲れた〜けど、小学生の姿を見ると、いつもやってよかったと思うし、達成感もある)大崎上島
 今回の自分からのご褒美。『つぎはぎ日本一周』。ただし、天気が心配なのと1日のみと言うことで、このパターンではお決まりの、島シリーズをすることに。どうも、天気は、西の方から悪くなって行くようなので候補に考えていた周防大島と大崎上島では、大崎上島の方が天気がもつのでは?という期待から、大崎上島に決定し、いつものように、前の晩から出て、SAで車中泊。体操大会と、その後の疲れからか、起きるのが遅くなり、やや遅めのスタート。今回は、橋がかかっていない島なので、フェリーの時間との兼ね合いで、結局、4便の8時50分に安芸津港をスタートする便となった。フェリーに乗り込もうと、桟橋のところで、自転車から何か落ちたような気がして、振り向いたら、係員の方が落ちましたよ〜といって、丸い白いプラスチックのコインのようなものを手渡してくれた。あまり見覚えがないが、なんとなく、私の自転車から落ちたような気がしたのは確かだったので、その部品をお礼をいって受け取った。結局、何の部品かわからなかったので、えい!って捨てようかとも思ったが、もしかしたら、ってことがあるかもしれないので、ポケットの中に入れておいた。
 地図で見ると、すぐ近くに見えるのだが、フェリーだと35分ぐらいかかって、大崎上島の大西港に到着した。さあ、ここから時計回り(海側を走れるので気持ちよい)にこの島を一周する予定だ。天気よもってくれ〜という願いを込めてスタート。もちろん、レインコートなどの雨対策はしっかりしてきてはいるけれど、やはり、雨の中を走るのはできるならさけたいのだ。
 ロードバイクに乗って、ヘルメットをかぶろうとしたら、何か違和感が・・・・、なんと、ヘルメットの後ろに大きさを調整するバックルがあるのだが、その部品がとれていたのだ。そう、さっき、白い丸いプラスチックの部品はその部分のものだったのだ。それで、ポケットにいれていたその部品をはめてみると、きちんとはまった・・・・助かった〜とおもっていたら、そのほかの部品もないと正常に動かないことが判明。少なくともあと二つの部品が紛失していたのだ。さあ、これからスタートというときに、いきなり出鼻をくじかれた思い。きっと、帰るときには、あの桟橋を探しても、もうないであろう・・・・、このヘルメット高かったのに〜〜〜とブルーになる。バックルがないと、調整ができないので、テープか何かで止めて、このヘルメットをかぶらないと使えない・・・・かっこ悪!
 まあ、そうはいっても、スタートしないわけにはいかない。気持ちを奮いたたせて、今度こそちょっとぶかぶかになったヘルメットをかぶって再スタートした。
最初に向かったのは、大西港から見えていた長島にかかっている橋。長島大橋。こういう橋があったら、行ってみたくなる。橋に向かう道はそれほどの坂ではなかったのだが、結構足にきてしまった。トレーニング不足を痛感した。冬場はどうしてもトレーニングがおっくうになる。なんとかせねば!
    
橋から見える景色は、また格別だ。橋を渡って、海岸線を行くと、なかなか面白い形の島があった。今回もα300を持っての『つぎはぎ日本一周』なので、こういうときには、すぐに撮影。ただ、今回は、寒さ対策で着込んでいるので、カメラを取り出すことも、普段以上に大変だ。 
 長島自体はぐるっと一周できる道路もなさそうだったので、行き止まりまで行き、Uターンして、再び橋を渡り上島へ。
   

 あまり標識もなく、少し道を間違えてしまったが、そういうところの自由度がまたいい。この旅の楽しさでもある。「まっ!なんとかなるさ!!」海岸沿いの道なので、ほとんど起伏もなく、気持ちよく進む。寒さ対策で、ネックウォーマーや、ヘッドウォーマーなどを準備していたのだが、これが正解。ところどころに、紅葉の綺麗な場所があり、そこでも、写真を撮る。
 進んでいくと、立派なお屋敷が見えてきた。大望月邸で、別名「海と島の歴史資料館」だ。
    

 今回の大崎上島の旅は、どこに寄ろうかということは、忙しかったことや、周防大島と直前まで迷っていたことなどから、インターネットでちょこっと見るぐらいしか下調べをしてこなかった。(下調べをして周るともっと面白いというのは分かるのだが・・・)そこで、この大望月邸に入館して、この記念館のことを知るということと、館の方にこの島のことを教えてもらい、この先のルートで寄るべきところも考えたいという気持ちもあった。入館料はありがたいことに200円という安さ。入って資料を見ると、望月氏とは地元の偉人で、大臣にまでなった方を筆頭に、政治家一家としてかつやくされたということが分かった。立派な屋敷なわけだ。館の方に島のことを聴くと、人口は8000人とだんだん減っているとのこと。経済状況もあまりよくなく、以前橋を架けようというような話もあったが消えてしまい、今はまだ、そういう計画はないとのこと。この先の見所は古い街並として、木江地区のことを教えてくれた。パンフレットが見当たらないということ、掲示してあったものをくれた。感謝。
 大望月邸の庭もとても綺麗で、紅葉はやや見ごろをすぎているような気もしたが、とても綺麗だった。山陰よりも、紅葉の見ごろの時期は少し下がるのかもしれない。

木江に向かっていく海岸沿いの道。斜面にはミカン畑がひろがり、瀬戸内独特の明るい雰囲気がただよう。は、造船関係も以前は盛んだったようで、その面影を残す景色もところどころで見える。

      

   

 さて、木江地区が近づいてきた。・・・このルート一番のお目当てだ。漁村のような雰囲気の中に入っていくと、まず目を引いたのは木造五階建という珍しい建物。現在でも使われているらしく、生活感もあった。

こういう建物は他ではなかなかないものだと思う。ただ、観光名所の割にはあまりにも唐突に普通にありすぎて、びっくりしたくらい。まあ、そういうところも一つの味なのかもしれない。少し行くとこの島にも厳島神社があり、そこの前にもこれもまた、趣のある木造三階建のお店もあり、とてもよい感じだったので、ここでも写真を撮った。


 更に進むと、古い町並みという看板があり、ここから本番なのであろう。しかし、細い路地を入っていくと、ここも、普通に生活している感じで、観光資源として保存していますというふうではなく、壊れかけた部分もそのままのところも結構あり、あれ?と思うこともあった。

    

よく見ると、ここも、3階建てなども当たり前のようにたくさんあり、昔はにぎわっていたのだろうと想像できる。本腰を入れて、修理などすると、本当に素敵な古い町並としてよみがえるだろうと思う。まあ、そうするためには、財源が必要で、今の不景気な状況下ではそれも、なかなか大変なことだとは思う。

    

街中の途中に神社があり、そこの銀杏があまりにも見事だったので、紅葉撮影にはやがわり。α300で何枚も写真を撮った。
 木江の町をあとにして、先へ進む。

 

 すると、ついにぽつぽつと雨が降り始めた。少しいたら止むのでは?という淡い期待のもと、そのままぬれながら進んでいたが、雨足は強まるばかり。昼食場所まではなんとか行こうかと考えていたが、そういった施設もありそうにない。仕方なく、雨宿りをして、そこで、レインコートの上下を着た。

「つぎはぎ日本一周」でこれが活躍するのも久しぶりだ。最近はラッキーなことに割りと天候には恵まれていた。
 まあ、そうは言っても、今回は雨。それはそれで受け止めるしかない。雨の中でも、このレインコートを着ると本当に心強い。

 

 雨の中を自転車で進むという絵は、見ている人にとったら、そうとうつらそうだと思うのだが、防水さえしっかりしていれば、見ているほどではなく、割と平気なものだ。自転車をこいでいるので、そこまで、寒いということもない、ただ、防水がうまくできず、水が入ってきたら話しは別で、地獄を見ることになる。今回は、手はグローブが防水を保ってくれたので、大丈夫だった。しかし、足は途中で、時々水がすーっと靴下の中に入ってきてしまうことがあった。足は長靴とかでない限り、防水をキープするのはなかなか難しいのかも。
 雨の中を進むので、写真とか、撮る余裕もあまりなくなった。時としてはっとさせられる風景に出会うのだが、α300は防水のため、ビニールにいれ、リュックにしまいこんでしまった。そこで、コンデジを取り出して、撮影をした。やはり、紅葉が綺麗なところが何箇所かあった。

  遠くに見える二つの橋は、大崎下島(とびしま海道)にかかる橋だ。以前のつぎはぎで、通った橋だ。
   
 一度この雨の中、道を間違えて、行き止まりまで行き、引き返したのだが、雨の中で多少精神的なダメージはあったものの、最初にも書いたが、一人旅の気楽さ、「まっなんとかなるさ!」だ。
 峠を越えて下りに入る。三叉路に出て、大串方面と、スタート地点だった大西方面と二方向に分かれていた。純粋にこの島を一周するというだけならば、大串方面に行くべきなのかもしれないけれど、雨のことや、昼食のこと、帰りのことなど、いろいろと頭を巡り、結局、大西方面へ進む。こちら側は結構坂が多く、この後も上り基調だった。ひょっとしたら、大串を回って大西に入った方が楽だったのかもしれない・・・・、まあ、これは実際に行っていないのでなんとも言えないが。ところで、その三叉路がある地名がとてもおしゃれ。「恋地」という地名だ。恋をする場所?雨の中、寒さの中だったが、ぽっと温かくなるようだった。
 昼すぎに大西に到着。フェリーの乗務員も昼食休憩のためだろう。フェリーは入港しているのだけれど、他の便よりも少し時間があいての出港ということだった。少し時間ができた。大西の待合室には食堂のようなものはなかったが、売店があった。ホットレモンとお菓子で、昼食までのつなぎをした。待合室に暖房が入っていて、ありがたかった。フェリーを待つ間レインコートなどを乾かさせてもらった。
 フェリー出発の時刻14:10になった。ロードバイクは130円かかるが、5月に行った祝島への渡船では自転車だけで600円かかったことを考えれば、この価格設定はありがたい。フェリーの中は暖かく、35分もかかるので、一眠り。これが気持ちいい。帰りの車を運転しないといけないので、こうしたちょっとした時間、睡眠をとるといのは大切なこと。いつでも、どこでも、ちょっとでも寝れる・・・・『つぎはぎ日本一周』をするためには必要な能力だ。目が覚めると、ちょうど安芸津港にこれから入るというところだった。
 到着してまずやらなくてはならないこと。それは、桟橋にヘルメットの部品が落ちていないか探すことだ。
 まあ、ほとんど無理なことは分かってはいたが、あまりにもくやしいので、白いコインのような部品が落ちたところを中心に探した。・・・しかし、やっぱり部品は見当たらず、ショックを受けながら一度待合室へ向かった。すると、待合室の方から、「これはあんたのじゃないかね?」とあるものを見せてくれた。バンドのようなものだった。自転車に乗っていたので、きっと落としたのだと思い、声をかけてくれたのだ。しかし、残念ながら、それは、私のものではなかった。でも、そのことがきっかけで、待合室前に落ちている可能性もあるなあ〜と今度は待合室の周りでロードバイクが通ったところを探してみることにした。すると、ロードバイクを立てかけていたあたりになにやら、細長い部品が・・・・あった!!METと書いてある細長いプラスチック製の部品だ。この部品は必要な部品の一番外側、言ってみれば部品を留めている部品といったものだ。ここに、外側の部品が落ちているということはここから、さっきの桟橋までの間にもう一つの部品が落ちている可能性があるということ。再び桟橋までの道と、桟橋を探した。・・・やはりなかった。悔しい!!あと一歩というところで。 帰る前にトイレに行ってもう一度だけ、探してみようという気になり、白い部品が落ちたところにもう一度行き、今度は最後だということもあり、人目もはばからず、しゃがんで探した。すると、黒くなった鉄板の上に黒いギヤのような部品があるではないか!!保護色になっていて、遠目からはよくわからなかったのだ。直径2センチぐらいの小さな部品を広い桟橋の上で発見したのだ。しかし、実際に装着してみないと、本当にこれが、落とした部品かどうかまだわからない。ヘルメットに3つの部品を付けてみた。そうすると、ばっちり!!やった〜〜〜〜〜あったど〜〜〜〜。思わず叫びたくなるのをおさえて、冷静に、にやりとした。これで、ばっちり復活。今回の『つぎはぎ日本一周』で一番うれしい出来事になってしまった。いや〜本当に奇跡だ。いろいろな偶然が重なって見付けることができた。神様に感謝。
 @白い部品が落ちるところを感じ、係の人が拾ってくれたこと。・・・・・ロードバイクに乗っているときに落ちたら、絶対にわからなかったと思う。係の人の目の前だったから声をかけてくれたのだと思う。
 A白い部品に見覚えがなかったが、捨てなかったこと。・・・・捨てている可能性も十分あったが、捨てなかった。ラッキー。
 B待合室の人に他の人の落し物のことで、声をかけてもらい、その近辺をさがしたこと。・・・・桟橋しか、探していなかったら、外側の部品はわからないままだったと思う。
 C3回も桟橋を探したこと。・・・・・・ここまで、しつこく探すというのも、珍しいかも。まあ、高価なヘルメットの部品だったからというのもあったかも。
 それにしても、復活するまで、あきらめなくてよかった〜〜〜。

 港の前に駅があり、そこの駐車場に車をとめていたのだが、そこへ行き、ロードバイクを分解して積み込む。1日300円という駐車料。安い、ありがたい。
 ほっとしたら、昼食がまだだったことを思い出し、急に腹が減り始めた。
 呉方面に車で向かい、最初にあった、お好み焼き屋さんに入った。写真を撮るのをわすれたが、おいしかった〜〜〜。
 今回は、ちょっと短い距離ではあったが、ハプニングもあり、雨もありで、印象に残る『つぎはぎ日本一周』となった。やっぱり楽しい!!
 次はどこ??
  

 本日のデータ
 走行距離 39.9q
 平均速度 フェリーの時間も入れてしまい、測定不能
 最高速度 45q/h















『つぎはぎ日本一周』