『江田島一周』
2011.5.4
ゴールデンウィークに、1日は自転車を、ということで、今年は『つぎはぎ日本一周』をすることにした。しかし、1日ということで、あまり遠くへはいけないので、近場の島シリーズだ。地図をにらんで、近くで、まだ行ってなくて、100キロ前後で、・・・・などといろいろ条件を絡めながら思案していると、広島の江田島に目が留まった。ここならいろんな条件を満たしている。ということで、江田島に決定。
 いつものように、前日の夜出発してSAで車中泊。5月であるけれど、真夜中は結構冷え込んだ。寝袋を2つ準備してきて正解。これで、なんとか寝れた。次の日の朝、6時30分に一度目を覚ますが、2度寝をしてしまい、7時30分になっていた。ここから、朝食をとったり、歯をみがいたりして、準備。SAを出て、音戸まで行く。『つぎはぎ』で苦労することのひとつに、車を停める場所があるが、今回は、音戸の橋のすぐ近くに駐車場があるのだが、さすがに、ゴールデンウィークで、混雑する駐車場に一日駐車することもできないと考え、近くを探して回った。幸い、そこよりも少し上の方に新しくできた公園があり、広い駐車場もあった。ほとんど車を停まっておらず、ここなら、大丈夫だろうと判断して車を停めさせてもらった。
 ここで、ビアンキを組み立てて、いよいよ出発。『つぎはぎ日本一周』のこだわりで、一度、以前通ったことのある下の道まで下って、そこからスタートした。音戸の橋は、朝夕とても混むらしく、現在、新しい橋も建設中だ。その橋も現在の橋と同じような形で遠くから見たら親子橋のようで、面白い。
  ぐるぐる回って音戸の橋まで来る。ここの道は狭いし、車の数も多いので、迷惑になってはいけないと考え、ハイスピードで坂を上った。これが、結構足にきた。
 橋が見える駐車場からの景色は、ツツジの花とも相まって、とても美しい。カメラをかかえた人も多かったのだが、この景色なら納得。

  
   

  音戸の橋を渡り、最初に向かったのは波多見方面。できるなら、島を全部制覇したいと考えたからだ。

 海沿いの道を進む。音戸の橋がだんだん遠くなる。このあたりで養殖が盛んなのだろう、ホタテ?ヒオウギガイ?オウギガイ?の貝殻が紐で束ねられ整然と並べられている。
 そんな景色を眺めながら気持ちよく進んでいると、すぐ横を結構なスピードで乗用車が通っていった。もう少しで、接触しそうで、驚いてしまった。危険を感じたので、やや広めの歩道を通ることにした。ここなら安心だ。・・・しかし、少し進むと、その歩道も何の前ぶれもなく突然なくなった。しかも、自転車が通ることを全く予想していないかのように、段差があるままで、いきなりだ。自転車を担いで、再び車道に下ろして、気を取り直して進む。 海には貝用のいかだが数多く浮かんでいて、その景色もまた、いい感じだ。島なのだが、結構高い山も見える。そして、緑の間から見える岩の形状も聳え立っていて威圧感もある。

   

  

 海は、潮の満ち引きの関係で、船の係留の仕方が日本海とは違い、海面が上下しても対応できるように桟橋が浮島のようになっている。
 途中、神社があったので、この旅の無事を祈った。1人で行く『つぎはぎ日本一周』のよいところは、こうい寄り道もそのひとつ。ちょっとした神社、ちょっとした町並みなど、気になるところはちょろっと寄れるという気軽さ、自由さ、ある意味、贅沢な時間が好きなのだ。その後、ちょっとした町の様子が気になって、ここでも、ちょっと寄り道。

   

  

 桂浜にある案内所に着いた。ここの観光案内の方に、この後の海岸沿いの道のアップダウンはどうか聞いたのだが、そんなにアップダウンはないと言っていた。すぐ前に江戸時代の造船所跡があったので、そこを見学し、海岸沿いの道を進む。自転車に乗って進むのと自動車に乗って進むのでは、同じ道でもずいぶん感覚が違うものだが、やはり、観光案内所の人は、自動車でしか、この海岸沿いの道を進んだことがないのであろう。アップダウンはないと言っていたが、結構なアップダウンがあった。まあ、半分は覚悟していたので、やっぱり・・・という感覚で、このアップダウンを楽しんだ。ここの景色は、なかなかのもの。途中で、面白い形の岩があったり、岸壁から見える海の景色など、何枚も写真を撮った。
 このあたりは全ての家の瓦が銀色っぽく、ちょっと上から見下ろすと、統一感がある町の景色だ。

    

   

 さらに進むと、遠くにトラス橋が見えてきた。倉橋島と能美島を結ぶ大きな橋だ。(能美島は、同じ続きなのに、西能美島と東能美島がある)トラス橋としては日本で10番目の規模ということだ。ぐるっと回る橋への道を上り、橋の上を通る。高所恐怖症の人は?であるが、私は、こうして橋の上を通るのは大好きで、とても気持ちよい。橋の上から見下ろす海峡、船、町並など、いい雰囲気だ。車では、橋の真ん中あたりで、とまりじっくり景色を堪能するというのは難しいことが多いけれど、自転車なら誰にも遠慮することなく、そうした景色をじっくり楽しむことができる。

   

 西能美島も本当は一周したかったのであるが、南へ進むと、途中で道がなくなってしまうので、今回は北側へルートをとる。
 少し行くと、コンビニが見えてきた。そろそろ昼食時、ということでここに寄ることにした。すると、ロードバイクの集団がいるではないか?仲間だ〜という感覚で、近づいてみると、なんと、本当の仲間がいた。ミッキーさんではないか!えこにんさんたちと一緒に何度か島根でも走っているし、昨年のYOSHIさんプロデュースの鹿足ライドのときもご一緒した方で、専属カメラマンのように数台のビデオカメラを装着したロードバイクでさっそうと走っている相当の実力の持ち主の方だ。広島の仲間たちと、江田島をまわっているということだった。少し話して、昼食をとり、その後、記念撮影をした。お互い安全を祈りお別れした。

 

 大君というところで、国道487号線の方向に進み、できるだけ外周に近いルートを進む。その後、鹿川で県道36号線で、西側の海岸沿いを進むことにした。
 途中、なんと、タヌキに遭遇した。今までにも、こういうことはときどきあるのであるが、珍しさにカメラを構えると、構えている間にどこかへ逃げていて、結局写真に納めることができないということがほとんどだった。しかし、今日のタヌキは何かに熱中していたのか、はたまた、ぼーっとしていただけなのか、カメラを構えても、ずっとその場所を動かないでいた。しっかり写真に納めさせてもらった。それどころか、自転車で近づいてもなかなか気付かず、1メートルぐらいのところで、やっと逃げていくという滑稽な姿を見せてくれた。しっかり至近距離での撮影も成功。

 

 海岸線には、ホタテ?の養殖がここにもたくさんあった。潮も引いて、ホタテ?の姿がしっかり見えていた。
 江田島市役所に到着。と言ってもここに何の用事があるというわけではないけれど、江田島に着いた〜という気持ちにはなれる。能美島もそうだけれど、江田島も、いつの間にか江田島という陸続きで名前が変わる島だ。

 

 まだまだ先と思っていた海上自衛隊の施設が見えてきた。今回、ここには寄ってみようと思っていた場所だ。金毘羅山の近くの自衛隊の施設のときもそうだったが、ここも、無料。ただし、名前などしっかり記入してからだった。案内をする人につい説明を聞きながら施設を見学するというスタイルらしかったが、待合室でその見学の時間までまつといわれたのだが、その時間まで30分以上あった。なんとしてでも、日没までには、島を一周したかった私にとって、この30分は痛い。そこで、案内はなしということで、自分で、興味のある施設を見てまわることにした。その施設の中には、神風特攻隊で亡くなられた方の遺書や、人間魚雷の回天のことなど、さまざまなものが展示されてあった。海上自衛隊だけに、日露戦争について、東郷平八郎なども詳しく説明してあった。決して戦争はあってはならない、という思いを強くして、この施設をあとにした。

   

 その後、国立江田島青少年交流の家に行った。江田島といえば、この施設を思い浮かべるので、立ち寄ったのだ。ただ、施設の中は入れないので(たぶん)外からの写真を撮って、休憩した。ちょうど、そこは芝生だったので、しばし、足を休める。

 

 青少年交流の家をあとに、先に進む。海ぞいの小さな道だ。気持ちよく進んでいると、なんと、急に行き止まりになっているではないか!道を間違えたのだ。あ〜っと思いながら、デジカメにとってあった、地図を見ると、江田島の横の道をそのまま行けばよかったのだ。Uターンして、行こうとすると、ロードバイクで休憩している人に出会った。その方が「行き止まりだったでしょう」と声をかけてくれた。ロードバイクに乗っていると、仲間意識ができ、すぐに友達のような感覚になる。Kさんという方で、広島からきて、このあとフェリーで広島に戻る予定だそうだ。ここまで、ちょうど100キロほど走ってきたとのこと。一緒に行こう!ということになり、先に私が進む。少し行くと、「ひきましょう。」といって、先頭を交代してくれた。この方が、また速い。必死について行った。『つぎはぎ日本一周』は基本的にのんびり進むのだが、この時は、トレーニングモード全開。再び江田島青少年交流の家の横の道を進む。やはり、この道で正解だった。切串のフェリー乗り場に到着。石見グランフォンドに出るのが夢と言っていたが、これだけ速ければ、絶対大丈夫。きっと近いうちに華やかに石見グランフォンドデビューをするだろう。「どこかで、また、ご一緒できるといいですね」と言ってお別れした。メール交換などもしていないので、出会えるとしたら、どこかの自転車イベントだと思うけれど、きっと、チャンスはあるだろう。

    

 それにしても、江田島では、随分ロードバイクでトレーニングや旅をしている人とすれ違った。テレビでも最近は、自転車に関するものも多く、(NHKのチャレンジホビーなどもロードバイクで旅をするをやっている)確実に自転車乗りは増えている感じがする。益田でも、どんどん増えている。うれしい限りだ。
 さて、再びソロにもどって、音戸を目指す。できるだけ島の外周を通りたいので、小用というところから、県道299号線を通ることにした。この道は結構上りがあり、100キロちょっと走ってきた足にはきつかった。「しびれ峠」という面白い峠があり、景色も綺麗だったので、しばし休憩&撮影をした。

  

 江南で県道44号線に入り、そのまま南下。そして、国道487号線というルートを進む。エネルギー補給をするためにコンビニに寄る。このコンビニは、昼食をとったコンビニだ。江田島を一周したことになる。

 

 再び早瀬大橋を渡り、倉橋島へ入る。行きとは逆の北側の道をすすみ、音戸に到着。
 橋の駐車場には、朝以上にカメラがならんでいた。つつじと橋と、ループ状の道を走る車のライトの3点セットをうす暗くなった時に撮ろうとしているのだろう。旅の途中ではなかったら、私もきっと、ここに仲間入りしていただろうと思える魅力的な被写体だ。
 結局、今日の走行距離は138キロになった。『つぎはぎ日本一周』としては、長い距離だ。

 

 天気もよかったし、途中いいトレーニングもできたし、気持ちのよい1日となった。このここちのよい達成感と、これまたここちのよい疲労感。やっぱり自転車はいい〜。
 今度はどこを走ろうかな〜。
 
本日のテータ
 走行距離 138km
 平均速度 21.5km/h
 最高速度 54km/h
 高速道路 1350円×2(深夜割引)






















『つぎはぎ日本一周』