『伊予〜内子〜大洲〜伊予』
2010.3.30
伊予のホテルでは、ビュッフェ方式で、食べ放題。これから、体力を使う『つぎはぎ日本一周』にはありがたい。しっかりと食べ、いざ出発。
今日のルートは、本来なら、昨日のゴール地点の佐田岬からかもしれないけれど、時間的にきびしそうだし、内子や大洲にも行ってみたいという気持ちもあり、伊予からスタートして内子、大洲、そして、昨日通った八幡浜あたりに出ることで、四国一周達成をすることにした。けれど、時間に余裕がありそうなら、海岸線で長浜を通り、伊予まで帰り、海岸線での四国一周をしたいと考えた。
最初は、伊予市駅まで車で行き、そこで、両親と別れた。両親は、今日は私とほぼ同じルートで内子や大洲をまわる予定だそうだ。56号線を南下。四国は結構険しい山があるが、このあたりも、一気に高度を上げていく感じの坂が続く。400メートルぐらい登っただろうか? まあ、『つぎはぎ日本一周』はこうした苦しい坂なども振り返るといい思い出になるし、やはり、登りきったら達成感があるので、なくてはならないシュチエーション。途中、大きな黄色い物体が見えてきた。これは、バナナの看板。思わずパチリ。上りは苦しいけれど、漕ぎ続ける限り必ず峠があるということで、そこを目指して修行のように進む。今日も、道沿いの桜は満開。目を楽しませてくれる。
56号線は大洲街道というらしいが、それにふさわしい景色、ちょっと変わった橋が見えてきた。川中というところらしいが、屋根のついた橋だ。ここの橋の写真をとっている方がいたので、私も止まって撮影。すると、向こうから声をかけてこられた、ロードバイクに乗ってこうして旅をしていると、こういうことがよくある。普通に歩いていたり、車で旅をしていたのではなかなか、こうして声をかけてくれる人というのはいないのではないかと思う。ありがたいことだ。その方は福岡から屋根つき橋を見にきているということだった。内子には、他にもいくつか屋根付き橋があるということも教えてくれた。場所と時間の関係で、余裕があれば行ってみようと思った。(ちょっと遠くて実際には行けなかった)
内子の町というのは、ガイドを見て、ぜひ行ってみたい町の一つだった。海岸線を通ったら四国一周ということは達成できるのだが、どうしても、ここだけは外せないという思いがあった。それは、その街並みもそうだが、内子座という他にはあまりない、芝居小屋があるからだ。
内子の街並みもすばらしかった。ちょうど桜も満開というのも手伝って、いい雰囲気を出していた。街全体が江戸時代?明治時代?にタイムスリップしたかのように、昔の街並みを大切に保存している場所だった。また、そうした区間も結構広くてびっくりした。来て大正解。
そして、一番のお目当ての内子座。どうして、こんな地方にこれほどの芝居小屋ができたのか不思議に思えるほど、立派な芝居小屋だった。また、場内も昔の雰囲気をそのまま残しており、本当に貴重な建造物であると実感した。また、文化財としての価値だけでなく、この建物は現役ばりばりで、芝居はもちろん現在もいろいろなことに使われているらしい。ちょっと、予定表を見てみたら、高齢者交通安全大会というようなものも開催されることになっていた。町内の会合や、講演会などにも使われているというところなども、なんだかうれしくなる感じだった。
中の作りは、歴史の資料で見たことがあるような感じで、客席は枡席があり、その席をぐるっと囲むように2階席などもあった。また、地下、奈落もあり、舞台が回転するような作りだった。現在は、機械が回転させているらしいが、以前は、人の手で舞台を回転させていたそうだ。
大満足の内子を出発し、次は大洲に向かう。大洲の街に入る前のところに、今日も「すき家」を発見。また〜・・・と思われるかもしれないけれど、昨日メニューで気になっていた、ねぎ玉牛丼というのが、どうしても食べたくなって、今日も、ここに入る。店内のつくりは、昨日の店と全く同じだった。早速、ねぎ玉牛丼のサラダセットを注文する。これが、やっぱりうまかった。480円なり。
大洲の市街地に入ってきた。すると、ハードオフが見えてきた。普段『つぎはぎ日本一周』ではこんなところにはよらないのだが、今日は寄ってみたくなった。先日一眼レフを買って、レンズに興味があったから、ひょっとしたら掘り出し物でもないかな?と思ったからだ。早速レンズコーナーに行ってみると、キャノンのレンズが多い中、αマウントのレンズが1つほどあった。なんと、これは、今持っているαマウント対応のシグマ70-210mmの望遠ズームレンズではないか。値段はなんと、3150円。店員さんに、言って見せてもらったが、レンズにカビやくもりもなく、状態としてはなかなかいい。この状態でこの値段で出ていたら、絶対買いだ。自分用ではなく、父親用として購入することにした。父親もソニーの一眼レフを持っているのだが、標準でついていたレンズしか持っていないということを昨夜聞いていたので、ズームレンズをプレゼントすることにした。「新品でなくて、申し訳ない。でも、これで、撮影の幅が広がること毎違いなし。」この日の夕方合流して、実際に撮影できるか試してみたら、ばっちりだったので、超お買い得だったのは間違いない。
さて、本題からずれてしまったが、大洲の街もガイドを読むと、とても魅力的な街ということで、来てみたい場所だった。「おはなはん通り」という明治時代のような街並みが保存されているということだった。そのガイドはちょっと前のものだったので、大洲城は跡ということになっていたのだが、平成16年に復元されて、立派な天守閣がそびえ立っていた。この復元は、市民の手で行われたということで、寄付金は柱など、いろいろな方から寄贈されたもののようだった。
桜の花の中に城がそびえ立っていて、絵になっていた。今日は火曜日なので、休館ではなく、無事に城内に入ることができ、天守閣の最上階まであがった。さすがに、16年に復元しただけあって、まだ、木は真新しかった。復元方法も、ほぼ当時の建築のままということだった。階段が急だ〜。
城から降り、おはなはん通り方面に向かうが、高津川でもかつてはやっていた鵜飼漁をここではやっているということで(下水のマンホールの蓋も鵜飼漁だった)川沿いを進むことにした。川べりには船がたくさん係留してあり、鵜飼漁をする時など、観光客でにぎわうのだろうと想像させられた。再び街中に入り、最初に大洲赤煉瓦館に行き、その後、おはなはん通りを通る。想像していたより、ちょっと新しくなっていたが、とても綺麗な通りだった。また、明治の家並みものこされていて、こちらは、いい雰囲気で倉庫の白壁がはげていたりと当時の雰囲気が残っていた。また、神社の入り口あたりに建っている昭和燈というのも、よかった。臥龍山荘なども古い家ということだが、中には入らず外観を見ただけで、先に進んだ。14:20頃だったので、ちょっとがんばったら、海岸線を制覇できるかも?という気持ちも出てきたからだ。
大洲を出て、昨日通った197号を通り八幡浜へ向かう。八幡浜に到着すれば、四国一周したことになる。途中、夜昼トンネルという変わった名前の長いトンネルがあった。全長2140m。いつまでたっても出口が見えないそんな感じだった。
15:20に八幡浜駅に到着。その後、昨日通った十字路。これで、本当に四国一周達成だ。しかし、まだ時間的に余裕があるので、やはり海岸線を伊予に向かって進むことにした。日没までには無理でも、今日が最終日なので少々の無理はできるし、どうせ、高速も深夜割引を利用する予定にしていたので、12時近くまでは、四国にいる予定なのだ。
昨日通った道を再び進む。保内町まで来た。ここは、昨日は通り過ぎただけだったが、今日は、煉瓦造りの倉庫や、明治時代の建物が残っている箇所があると聞いていたので、そこによってみた。内子や大洲などに比べるとスケールはちいさいけれど、なかなかの雰囲気だった。
保内町をすぎ、197号をそれ、378号に入る。ここを進むと、さっきの夜昼トンネルと同じぐらいの長いトンネルがあった。名前は瞽女トンネル(ごぜ)というものだ。瞽女という聞き慣れない言葉は、調べてみると、三味線などを弾き、歌を歌う盲目の女旅芸人集団らしい。この地にこの瞽女という名前がついているということは、何かいわれがあるのだろうと思う。
海岸線を進む。夕やけこやけラインという可愛い名前がついているらしい。海を見ながら進むのはやはり気持ちいい。ただ、なんとか、日没までに伊予に着きたいという気持ちがあり、トレーニングモードで進む。長浜を17:20に通過。まだ、日没まで時間がある。なんとか、間に合うかも・・・・。ふと、昼を食べてからずいぶんたつが、何も食べてないことに気がついた。そこで、途中のコンビニでハンバーガーを食べエネルギー補給をする。夕日が綺麗だ。
ここらあたりの漁港には島根県では見られない黄色の漁船が多く係留されていた。珍しいのでとまって写真をとった。
そして、18:54に伊予市駅に到着。これで、本当の四国一周を達成した気持ちになった。ここで、両親と合流し、高速に入り通勤割引を使い、今治まで行く。そこで、食事をし、その後、温泉に入る。ここは、11時までやっていて、休憩室もあったので、深夜割引を使うために、11時近くまで休憩室で横になっていた。11時すぎにしまなみ海道の高速に入り、12時を迎えた。これで、深夜割引になる。結局益田に到着したのは、朝の4時頃だったと思う。
ハードではあったが、充実した『つぎはぎ日本一周』になった。本当に両親に感謝、感謝。
四国一周を達成したので、次回は、どこにしようか?
本日のテータ
走行距離 114km
平均速度 18.7km/h
最高速度 55km/h
『つぎはぎ日本一周』